繰り返し電気探査の結果の例です。 大分県九重町にある星生山には通称九重硫黄山と呼ばれる優勢な噴気帯があります。 その噴気帯の中で1991年と2002年の2回電気探査を行いました。 1991年には非常に高い比抵抗体が解析されており、この部分へ掘削をおこなったところ、230℃を越える過熱蒸気が噴出しました。 その後の2002年に、さらに高温の蒸気を取り出そうとして掘削を行ったところ、96℃の飽和蒸気しか噴出しませんでした。 そこで2002年に同じ測線で電気探査を行ったところ、1991年に明瞭に見られた高比抵抗体は消えてしまっていました。  





2回の探査の間には10年の時間が経過しており、その間1995年には九重火山で水蒸気爆発が発生しています。 この結果について詳細な検討を行い、日本地熱学会誌に発表しました。 江原 他 (2003) : 1995年水蒸気爆発後の噴気地域地下の熱的状態の劇的な変化-繰り返し比抵抗探査結果による推論-,日本地熱学会誌, 第25巻3号,p.179 – 192.
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深部にはこの地域の基盤岩が高比抵抗体として解析されており、浅い部分にはこの地域の貯留層のキャップロックとなる低比抵抗体が解析されています。 この3次元構造を浅いスライスと深いスライスで切り出すと、浅い部分に低比抵抗、深い部分に中程度の比抵抗を示す領域があり、このエリアが地熱貯留層の中心であると解釈されました。